私がこの会議に参加させていただいた理由は、「21世紀はアジアの時代」といわれるとおり、中国の台頭やアジアの国々の経済発展により、西から東への大きなパラダイムの変化がおきています。ですから、アジアの国々のリーダー達の考え方、政策の進め方というのは、決してその国やアジア地域にのみに影響を与えるだけでなく、それは世界に大きな影響を与えそして、世界の目指すべき方向もそれに左右されるのではないかと思ったからです。
この会議の大きなテーマとなっているのは、「持続可能」という言葉です。アジアの発展が一過性のものではなく、持続可能な、長期的のものにするにはどうすればよいのか、というところから話が始まり、持続可能なものとするには、私はこの公演で3つ重要なポイントがあると感じました。1つは、環境、2つ目はアジア地域の安定、3つ目はアジア地域の相互協力であります。
その中でも、特に私が関心を持ったのはアジア地域の安定の問題と、アジア地域の相互協力において日本がどのような影響を持ち各国がどのようなことを日本に望んでいるのかと言う点でした。
アジア地域の安定において、1つ重要な影響を日米同盟が与えているということを知りました。そして私がそれに対して、もっとも印象に残った言葉は、権泰栄氏の「日米同盟は半世紀以上、地域の安全保障と平和維持の公共財としての役割を担った」という言葉です。日米同盟を、日本とアメリカの2国間のことと考えていた私に、公共財と述べられたことはまことに衝撃的でした。日米同盟はもはや、他国にも大きな影響を与えているということを再認識する必要があると感じました。中国の軍備増強や北朝鮮など、不安定要素が顕著になっている昨今、日本は日米同盟の意義を見直し普天間問題の早期解決とより強固なアメリカとの同盟を互いに確認しあうことこそ日本に課せられた課題であると思いました。
次にアジアの相互協力という点で、広域FTAが討論されていました。もちろん、関税の撤廃など、広域な経済協力が重要でありますが、大切なのは物の移動を簡単にするのではなく、タイの副首相のニャン氏が述べられていた、技術援助の方が大切ではないかと思いました。日本は今までの経験や技術を武器に、インフラ整備等の技術を提供し他国の経済発展に尽力するべきだと思いました。未だアジア地域では、経済格差が大きくEUのように強力な統合は難しいです。鳩山首相の述べられる、東アジア共同体構想の実現の前に各国の経済水準を小さくすべきであり、経済大国としての日本の協力の幅はとても広いと感じました。
各国の先導的立場にある人の意見を聞き、アジアの明るい未来を感じました。多くの問題はありますが、アジア発展の力強さを見るとともに、日本の果たすべき事の多さと各国の日本の寄せる期待の大きさを感じました。日本は、今まで以上にアジアと言う地域を見つめた政策や外交をしなければならないのだと改めて、日本の重要性を感じる会議でした。